オオノスリ・天売島1月12日

オオノスリjuv(1月12日天売島撮影)

この写真では分かりずらいですが、虹彩が淡褐色で換羽が見られない事から幼鳥だと考えました。

この個体は幸い分かりやすくオオノスリの特徴が出ていましたので、図鑑を参考に他2種(ノスリ、ケアシノスリ)と比較して識別ポイントをまとめてみました。

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オオノスリノスリ、ケアシノスリ全て1月12日天売島での撮影です。3種を同時に見れる貴重な機会だったので比較をしてみました。

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翼下面比較。両方とも左からオオノスリノスリ、ケアシノスリ

下面の1番分かりやすいオオノスリの特徴は、脛が一様な褐色である点だと思います。

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ただこの点はノスリユーラシア大陸亜種にも見られる事があり、これだけでは判断しきれません。他の点としては、シルエットがオオノスリノスリに比べると顔が小さく、翼が長いという特徴があります。現地では翼の長さ、幅の狭さがノスリと比較すると違和感を感じましたが、単独でいる時に気付けるかと言われると分かりません…もう一つ気づいた点は、尾羽の薄くて細い横帯がオオノスリノスリに比べると尾の基部が薄く尾先3-5帯くらいが若干濃くハッキリ出ているのに対し、ノスリは薄く一様な濃さだと感じました(ノスリ幼鳥の特徴)。この為かオオノスリの方が黒帯が尾先に詰まっている印象を受けました。これはネットや図鑑の他の写真を見比べても当てはまる事が多いと思いました。またオオノスリはケアシと比較すると顔の小さい点は似ていますが、下腹辺りがずんぐりしている印象を受けました。この点ではノスリに似ていました。

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翼上面比較。左からオオノスリ、ケアシノスリノスリノスリだけ11月室蘭撮影)

 

オオノスリの特徴として、ノスリには出ない翼上面のパッチ(序列風切り基部が白く浮き出る)があります(ノスリにも出る場合があるがコントラストが弱い)。この点はケアシ的だと思いました(ケアシ幼鳥に多く見られ雌成長でも一部見られるらしい)。オオノスリの尾羽はノスリには出ない尾羽の基部や中央部が白く抜けるという特徴もあります。この点も上の写真で確認できると思います。

 

気になった行動・このオオノスリはカラスに追いかけられている時に体を一回転する(脚をカラスに向ける)行動を頻繁に行っていました。

 

先日、先崎さんから購入したフィールドガイド日本の猛禽類vol.04ノスリ、を主に参考にさせて頂きました。