真冬天売遠征(2020.1.12-13)

今年は雪が少ないためか、天売島の猛禽、小鳥が例年に比べ多い、という事で天売島へ行って来ました。海が穏やかで問題なく船が出てくれて良かったです。例年はこの時期は宿がやっていない事が多いようですが、今年はたまたま萬屋さんが営業されていて助かりました。

探鳥記

1月12日・まずは森を抜け猛禽が多い北側に抜けましたが、その間にも頭上をケアシとノスリが飛び楽しくなりそうな予感がしました。北側を回り赤岩展望台へ向かいましたが、途中にケアシ幼鳥が頭上を飛んだり、成鳥が枝に止まっていたり、道中とても楽しかったです。猛禽の密度がとても高いのでケアシとケアシの攻防やケアシとノスリとカラス三つ巴の争いなどが頻繁に見られました。

赤岩展望台に近づくと遠くにクロケアシの姿が!警戒心がとても強いらしく大体200mは常に距離をとられていましたが、他のケアシと喧嘩をしている時に少し近づいてくれました。この時にカメラの設定をミスったのが悔やまれます…しかしカッコよいその姿を見れただけで充分でした!

赤岩展望台へ着くと天売島民のSさんが丁度いらっしゃった所で、この辺りに10日ほど滞在しているというシベリアジュリンを一緒に探してくれました。シベリアジュリンはこの日降ったまとまった雪の所為で場所を変えたのか姿が無かったです。その後Sさんのご厚意で車に乗せて頂き、4日前に見つかったというオオノスリの捜索にご一緒させて頂きました。オオノスリは前日は姿を見せていなく抜けたかもしれないとの事でした。赤岩から北部をぐるっと回って捜索していると、天売島灯台手前の木からケアシが飛び立った時に遅れて1羽の猛禽が飛び出してきました。翼上部のパッチ、ノスリ的な尾羽、オオノスリです!恥ずかしながら現地では勉強不足で分かりませんでしたが、Sさんが直ぐに気付いてくれました。オオノスリ観音崎方向に消えていき、探しに向かいましたが姿はありませんでした。しかしその後、同じく天売に探鳥にいらっしゃっていた大先輩のSさんが見つけて教えてくれ、ばっちりと観察する事が出来ました。翼上面のパッチとノスリ的な体色、ノスリにしては違和感のあるjizzが印象的でした。正直、意識して見ないと気付ける気がしませんが…ケアシ、ノスリ、オオノスリを見比べられるというとても貴重な経験を出来ました。この後オオノスリはカラスに追われて消えてしまい、もう一度グルっと島を探鳥してこの日は終了しました。クロケアシを含む大量のケアシ、オオノスリノスリを見れて非常に楽しい1日となりました。

1月13日・早朝に森をグルっと回るとベニヒワの群れに当たりました。今年はコベニヒワの当たり年らしく高い割合で混ざっているという事だったので期待して見ていくと、真っ白な個体が!疑いようのない真っ白なコベニヒワでした。このような分かりやすい個体は滅多に見れないとの事です。腰の白さ、下尾筒の班の数(この個体は0)、胸の班などを総合して同定するらしいです。他にもコベニヒワか怪しい個体もいました。20-30羽ほどの群れでした。その後は島を一周しましたが特に収穫は無しでした…

行きの航路は運転で疲れ果てて死んでいましたが、帰りの航路は探鳥しました。港では上空にカラスに追われるオオノスリが見られました。航路は天売港でミミカイツブリ、天売-焼尻区間でハシジロアビ3、オオハム1、ウミガラスなどが見られました。焼尻-羽幌ではウミガラス20+、ケイマフリ20-、ハシジロアビ2、オオハムシロエリオオハム、コオリガモなどが見られました。羽幌寄りの海域はウミガラス、ケイマフリ、コオリガモが多くて楽しかったです。Sさんによると3月はコウミスズメが多く見られるという事で3月の天売航路をトンボ返りするのもアリだなと思いました。日本で1番ハシジロアビが見られる航路だと思うのでオススメです。

主な観察種

シノリガモ、コオリガモ、オオセグロカモメ、シロカモメ、ハシジロアビ、オオハムシロエリオオハムウミガラス、ケイマフリ、ヒメウ、ノスリ、ケアシノスリ、オオノスリオジロワシ、トビc、アカゲラベニヒワ、コベニヒワキレンジャクツグミヒヨドリ、ギンザンマシコc

外した鳥・シベリアジュリン、オオモズ

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ベニヒワ。下尾筒、腰ともに真っ白な良い個体でした。
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上オオノスリ、下ハシブトガラス。オオノスリは他のノスリ、ケアシに比べカラスに必要に追いかけられていました。オオノスリノスリ、ケアシノスリの識別は別記事に書いています。
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ケアシノスリ雄成鳥。
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ケアシノスリ雄成鳥。
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クロケアシ雄成鳥。ケアシって何年くらい生きるんでしょうか…来年も無事来て欲しいです。